先天性聴覚障害の半数以上は遺伝(遺伝子)が原因である!次女も聴覚障害を持って生まれてきた

育児

我が家には3人の子どもがいます。
長女かぼちゃん5p-症候群という染色体異常の障害と聴覚障害を持って生まれてきました。
かぼちゃんの出産と障害が発覚するまでに興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

かぼちゃんの出産から約3年後に長男ぶっくんが誕生しました
ぶっくんは幸いにもなんの障害もなく生まれてきました。

そして、ぶっくんの出産から3年後に長女とまちゃんが誕生しました
なんと!とまちゃんも聴覚障害を持って生まれてきたのです。

かぼちゃんが生まれ障害が判った時、染色体異常の原因が遺伝の可能性があるかは病院で調べてもらいました。
幸いにも遺伝ではないことが判ったので、二人目以降に同じ障害を持って生まれてくることはないだろうと思っていました。
染色体異常の障害を持って生まれてくると合併症として他の障害を持って生まれてくることが多いため、聴覚障害は合併症だろうと言われていました

しかし、次女とまちゃんも聴覚障害を持って生まれてきたということは遺伝が原因という可能性が高いです

今回は聴覚障害とは何か聴覚障害と遺伝(遺伝子)の関係についてまとめました。

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聴覚障害とは?

まず聴覚障害について説明します。

聴覚障害とは聞こえの不自由なことを表す言葉ですが、その原因や種類、聞こえの程度は様々なのでかなり広い意味で使われる言葉です。

原因によって、遺伝子や妊娠中のウイルス感染で生まれつき聞こえに障害を持つ先天性難聴」と突発性疾患や外傷などで聞こえに障害ができた後天性難聴」に分けられます。

また、聴覚障害になった部位がどこかで「伝音性難聴」、「感音性難聴」、「混合性難聴」の3種類に分けられます。

  • 伝音性難聴:外耳や中耳の音の振動を伝える部分に障害がある
  • 感音性難聴:内耳や聴神経の音を感じる部分に障害がある
  • 混合性難聴:伝音性難聴と感音性難聴の両方の障害を持つ

先天性難聴の大部分は感音性難聴になります。

伝音性難聴は音が伝わりにくいだけなので、補聴器で音を大きくすればなり聞こえは改善されます
しかし、感音性難聴は音がくぐもっていたり、歪んでいたり、途切れたり、音の一部が聞こえなかったりするので補聴器で音を大きくしても言葉を聞き分けにくいことが多いです。

多くの人が補聴器を付ければ聞こえると思っていますが、感音性難聴の場合は聞くことの助けにはなっても聞こえにくいことに変わりはないのです。

最後に聞こえの程度についてですが、一般的には以下のような分類になります。

聞こえの程度の分類
分類 音の大きさ(dB) 音の種類
正常 0 耳で聞こえる最小音
10
20
軽度難聴 30 ささやき声
40 静かな会話
中等度難聴 50 普通の会話
60
高度難聴 70
80 大声の会話
90
ろう
(重度難聴)
100 電車のガード下
110 自動車のクラクション
120 ジェット機の爆音

我が家の場合は以下の通りです。

  • 長女かぼちゃん … 感音性重度難聴 右:103dB 左:103dB
  • 次女とまちゃん … 感音性高度難聴 右: 75dB 左:105dB

かぼちゃんはかなり重い難聴なので日常生活での音に対する反応はほとんどありません
これだけ重度だと主治医の先生から人工内耳を勧められるレベルなのですが、他の障害もあるため辞めておいたほうがいいとのことで補聴器の装用のみをしています。

とまちゃんのほうはかぼちゃんよりは軽いですが、それでも聞こえの状態は厳しいです
裸耳(補聴器も何も装用していない状態の耳)では近くで大声で話しかけてなんとか聞こえているかな?くらいです。

2人とも補聴器を装用しているのでその効果などについては、また別の記事で詳しく書きたいと思います。

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聴覚障害と遺伝(遺伝子)の関係

先天性難聴は1000人に1人の割合で発症すると言われています。
生まれつきの疾患で最も多いのが聴覚障害になります。

先天性難聴は妊娠中のウイルス感染(風疹など)が原因の場合もありますが、半数以上が遺伝子が関係しているそうです。

難聴に関わる遺伝子は100種類あると言われています。
遺伝子が原因とされる難聴のうち70%が「常染色体劣性遺伝」になります。
両親に難聴がないのに難聴の子どもが生まれる場合がこれに相当します。

人間は一対の遺伝子(遺伝子2つずつ)からなっていて、片方は父親由来、片方は母親由来の遺伝です。

父親と母親が同じ難聴に関わる遺伝子の変異を1つずつ持っている場合、両親はもう1つの遺伝子は正常なので難聴ではありませんが、その子どもは父親と母親から1つずつ遺伝子を受け継ぐことになるので、1/4つまり25%の確率で変異した遺伝子を2つ受け継ぐことになります。
変異した遺伝子が2つ揃ってしまうことで難聴を発症します。

難聴の原因遺伝子の中で最も出現率の高いものを「GJB2遺伝子」と言います。
日本人におけるGJB2遺伝子変異の保因者(2つの遺伝子のうち1つは正常だが1つが変異の遺伝子である人)は2~2.5%と推定されていて、40~50人に1人の確率でいることになります。
保因者同士が結婚し子どもを授かることで難聴のある子どもが25%の確率で生まれる可能性があるという訳です。

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まとめ

2人の難聴児を育てているので、聴覚障害についてはある程度理解できていましたが、遺伝子との関係は改めてとても勉強になりました。

私と夫が出会って、3人の子どもを授かって、2人の子どもが聴覚障害を持つことになったのは遺伝子が原因だとすると運命だったのかなと思ったりもします。
障害があっても幸せな生活は送れると信じています。
将来、子どもたちもそう思ってくれるように豊かな心を持った人間に育てていければと思います。

 

難聴児の親になったときに読んでほしい記事です。

次女とまちゃんの育児記録もあります。
こちらの【難聴児育児記録】一覧からご覧ください。

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