4月から聾学校幼稚部の3歳児として通い始めた次女とまちゃん。
先日、聾学校幼稚部・小学部の保護者向けに授業見学会と進路説明会が開催されたので参加してきました!
子どもの進路を考える機会として他学部・他学年の学習の様子を見学し、学習内容や学習体制の違い等を知ることを目的としているそうです。
まだまだ先の話なので何の気なしに参加したんですが、すごくいい内容だったのでレポートさせていただきます(*‘∀‘)
難聴児がこういう所で苦労するんだな~とかこんな風な進路先があるんだな~とか色々知ることができましたよ!
聾学校の授業の様子
自立活動の授業(小学部・中学部・高等部)
地域の学校と同様の教育内容(国語や算数など)の他に「自立活動」という聾学校独自の授業があります。
授業時間としては小学校の場合は1年生は週3時間、2年生以上は週2時間を設けています。
中学部・高等部になると週1時間程度になります。
授業内容は以下の2点になります。
- 手話での豊かな表現力とコミュニケーション力の向上
- 日本語文法指導(書記日本語)
聴覚障害者は日本語文法(文章を書くこと)が苦手な人が多いんです。
これは手話が「助詞や接続詞を使わない」言語であることが理由なようです。
例えば、「私の名前は〇〇です」と言う場合も「私」+「名前」+「〇〇」を手話や指文字を使って表現するので助詞の「~の」や「~は」をいちいち表現しません。
「文章を書くこと」は勉強をする上でも基礎になることだし、健聴者の世界で生きていくためには手話の分からない人と筆談する必要もあります。
社会で働くにしても文章を書かなければなければならない場面はいくらでもあります。
日本語文法を習得することがすご~く大事ということで、国語の授業とは別に「自立活動」の授業を設けている訳です。
口話であれ手話であれ、「聞く・話す」さえ出来ればなんとかなると思っていた私の考えが浅はかでした(/ω\)
英語の授業(中学部・高等部)
英語の文法を習っているクラスを見学させてもらいました。
一見、普通の学校と同じような風景なんですが、黒板をよく見てみると英単語に読み仮名がふってあります。
こんな感じです。
やっぱり聞くだけでは発音が分からないので新しい英単語には読み仮名をふって勉強するそうです。
使う英語の辞書も中学生用の辞書にはカタカナで発音が書かれているけれど、高校生用の辞書には発音記号でしか書いていないので、中学生用の辞書を使い続けていると先生が言っていました。
あと、リスニングの勉強はどうしても難しいのであまりしないそうです。
英語教育が重視され実践的な会話力が求められる最近の風潮は聴覚障害を持つ学生にとっては不利なのかもしれません( ;∀;)
英語の授業でも勿論日本語文法が大事なので、授業内でも先生が助詞の「は」を指文字で強調する場面が見られました。
工芸科・デザイン科の授業(高等部)
高等部には普通科の他に工芸科とデザイン科がありました!
工芸科では木工工芸と金属加工をしていました。
木工工芸は工具箱を作ったり、卒業制作では家具を作ったり。
金属加工では金属製の一輪挿しを作ったり、ナイフを自分で研いで作ったり。
デザイン科のほうは服やマスク、髪飾りのリボンを作っていました。
どちらも本格的で手に職をつけられるし、何より面白そうだな~という印象を持ちました。
工芸科の男子高校生の子が気さくに話してくれて「面白いから男の子ならおすすめですよ!」と教えてくれましたw
うちの子、女の子なんですー。
でも女の子で工芸科もカッコイイですよね♪
更に大発見がありました!
聾学校って高等部までだと思っていたんですが、「専攻科」というものがあるそうです!
工芸科やデザイン科で高等部の3年間学んで、もっと学びたい場合は専攻科であと2年学ぶことができるそうです(*´ω`)
進路説明会で分かったこと
就職するなら聾学校高等部からが有利
障害者手帳を持つ学生が企業に就職する場合、障害者枠を利用できるそうです。
この障害者枠は大企業のほうがあるらしく、一般として就職するのが難しい大企業でも随分と入りやすくなります。
ただ、障害者手帳を持っている学生が誰でも簡単に合格するかというと全くそうではなく、努力して努力してやっと合格できると言われました。
そして、障害者枠で就職したいなら地域の学校からよりも聾学校高等部から目指すほうが有利と言っていました。
何故かというと聾学校は少人数なので先生がマンツーマンで指導してくれるし、障害者枠での就職のノウハウも分かっているから。
地域の学校の先生にそれを求めるのは難しいですもんね(;´∀`)
進学しても大学を辞める学生も多い
また、就職ではなく進学する場合もありますが、大学に頑張って入れたのはいいけれど途中で辞める学生も多いという事実。
これには「情報保障」を行っている学校がまだまだ少ないこと、大学の課題にレポートが多いことなどが要因として挙げられていました。
「情報保障」とは視覚障害者や聴覚障害者が障害などによって情報を得られないことに対して、代替手段を用いて情報を伝える(情報を保障する)ことを言います。
大学などの「情報保障」として授業で先生が発言した内容を記録したものを提供してくれる「ノートテイク」というものがあるそうです。
そういったサポートをしてくれる大学が私立や専門学校には特にないということでした。
さいごに
今は聾学校幼稚部に通っていますが、小学校からは地域の学校に行かせたいなと漠然と思っていました。
他に2人子どもがいるので車で1時間の学校に通うのは大変で大変で・・・(/ω\)
でも、聴覚障害者が日本語文法を習得することの大変さやただでされ難しい勉強をハンデを背負いながらしていくことの大変さを考えると聾学校でずっと学ばせたほうがいいのかも・・・と思ったり。
「聾学校幼稚部→地域の小学校→聾学校中学部・高等部」という子も多いそうです。
とまちゃんも地域に行ったとしても、中学部か高等部では聾学校に戻ってきたほうがいいんだろうなという見通しが立ちました。
ほんとまだまだ先の話ですが、有益な情報を沢山もらえて良かったです♪
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